経済学とネイピア数

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僕は大学院で理論経済学(主にゲーム理論)を学んでいた時期があった。師走ということもありWeb制作とは異なる経済学に関する記事を書く。
ネイピア数(e)は自然対数の底とも呼ばれる数で自然科学の分野だけでなく経済学のモデル化でも頻繁に使われる。

 ネイピア数 lim x→∞ (1 + 1/x)x = e         ネイピア数はeで表すことが多い。

複利の計算を通してネイピア数を考える。ますは元本a, 年利rの複利によってt年目に受け取ることができる金額を考える。

0 1 2 t
金額 a a(1+r) a(1+r)2 a(1+r)t

年に1度ではなくr/kの利率が年にk回生ずる場合を考える。元本a, 利率r/kが年にk回生じる場合の1年後に得られる金額は下記の通りになる[1]

a(1 + r/k)k

連続した利子の発生をk→∞の場合として考える。利息の部分は下記のようになる。

lim k→∞ (1 + r/k)k

ここでk/r = xと置くと次の式が成り立つ。

(1 + r/k)k = (1 + 1/x)xr = {(1 + 1/x)x}r

基底部
1/x = 1/(k/r) = (1/1)/(k/r) = r/k

指数部
xr = k/r × r = k

連続した利子の発生をk→∞の場合として考える。k→∞ならばx→∞となる。よって次の式が成り立つ。

lim k→∞ (1 + r/k)k = lim x→∞ (1 + 1/x)xr =lim x→∞ {(1 + 1/x)x}r = er

連続的に利子が発生する複利を考えると元金a, 年利rの場合のt年目は金額はaert

元金1万円利率0.05の場合2年目の金額
(1 + 0.05) = (1.05)より (1.05)2 = 1.1025万円
er = e0.05 = 1.05127… より (e0.05)2 = 1.10517…万円

aertのtも実数とすれば微積分が可能になり経済モデルの分析を行いやすい。

1. kが365なら1日ごとに利子が発生する。
2. 分数の割り算の例 (3/4)/(2/5) = 15/8, 2/(2/5) = (2/1)/(2/5) = 5

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