既存のウェブサイトをリニューアルする案件が増えてきた。リニューアルの際にデザインやシステム構築の他に企画書を制作する機会が増えている。
企画書を書く際に参考になるハウツー本は多く出版されているがそのほかにも昔大学時代に読まされたレポートや論文の書き方の本を読み直したので忘れる前に要点をまとめて置く。
論文は問題を提起してその問題に対する答えを論理的な理由[1]を上げて説明する。論理的な理由(根拠)を上げて説明することことを論証という。
論証は企画書にも当てはまる点が多いと感じたので引用する。
· 自分の答えを論理的に支持する証拠を配列したものを論証という(戸田山 2002 p38)。
· 論理を支持する証拠とはその主張にいたった「原因・経緯」ではなく、「根拠・理由」のことである(戸田山 2002 p38)。
· 意見は主観的記述であってもよいが、他者が追認可能な論拠を伴う「普遍化された私の考え」(戸田山 2002 p44)でなければならない。
· 事実(事実の記述)と意見を明確に区別して書く(木下 1994)。
1. 理由と原因の違いは下記のサイトに詳しい説明がある。
» http://www.nagaitosiya.com/a/cause_reason.html
論証については『論文の教室』(戸田山 2002)が詳しい。
前提(premises)と呼ばれる宣言的文の集まりと結論(conclusion)と呼ばれる宣言的文から構成され、前提群から結論が真であることが導き出せることを主張したものである。そのような論証には、妥当なものと妥当でないものがある。
前提が真であれば結論が必ず真である論証を演繹的論証と呼ぶ[4]。『論文の教室』(戸田山 2002)で代表的な演繹的論証が紹介されている。
AならばBである。 …前提1
Aである。 …前提2
Bである。 …結論
代表的なモードゥス・ポネンスに三段論法がある。
モードゥス・ポネンスの対偶。
AならばBである。 …前提1
Bでない。 …前提2
Aでない。 …結論
モードゥス・ポネンスの裏・逆は必ずしも成り立たない[5]。
AまたはBである。 …前提1
AならばCである。 …前提2
BならばCである。 …前提3
ゆえにCである。 …結論
Aでないと仮定すると矛盾する
したがってAである。
4. 論証の妥当性は前提の正しさは問題にしない。妥当な論証でも前提が誤っていれば結論は誤りである。
5.裏
AならばBである。 …前提1
Aでない。 …前提2
Bでない。 …結論 ← 正しい場合も誤りの場合もある。
逆
AならばBである。 …前提1
Bである。 …前提2
Aである。 …結論 ← 正しい場合も誤りの場合もある。
前提が真でも結論が真であるとは限らない論証。『論文の教室』(戸田山 2002)は少し弱い論証としている
AはPである。 …前提1
BはPである。 …前提2
CはPである。 …前提3
すべてPである。 …結論
Aが既にわかっている。Hという仮説をおけば、なぜAなのかをうまく説明できる。ほかにAをHと同程度せつめいできる仮説はないのでたぶんHはただしい。
アブダクション、アブダクティヴな推論、または最良の説明への推論(古典ギリシア語: ἀπαγωγή、apagōgē/英: Abduction、abductive reasoning、inference to the best explanation)は、ある個別の事象を最も適切に説明しうる仮説を導出する推論。
仮説から演繹して結論を導出する。結論は実際の現象として確認できる。
仮説Hが正しいならばBが成り立つ。
実際、BなのでたぶんHは正しい。
Aは重要な点でBとにている。
BはCという事が成り立っている。
したがってAもCが成り立つだろう。
パラグラフを文章の最小構成単位と考えてパラグラフ単で文章を構成する。
パラグラフは日本語の段落のことだが本記事を書くのに参考にた書籍は曖昧に使われている段落と文章の最小構成単位としての段落を区別する意味でパラグラフと書いている本記事でも以下パラグラフとする。
パラグラフはトピックセンテンスとサブセンテンスで構成される。1つのパラグラフには1つの話題を書く。それをトピックセンテンスと呼ぶ[2]。パラグラフの他の記述をサブセンテンスと呼ぶ。サブセンテンスは下記の内容だけを記述する。
読んだ本はトピックセンテンスをパラグラフの先頭に記述することを進めていた。
パラグラフ間はトピックセンテンスで論理的に結びついており[3]サブセンテンスを先頭におくとパラグラフ間の論理的なつながりが分かりずらくなる。
2. トピックセンテンスはパラグラフの主題。
3. 一方サブセンテンスはトピックセンテンスとだけ論理的につながりがある。
200~400字と言われている。
文章を書くにはアウトラインをまず決める。
アウトラインとは論文の骨格。アウトラインを肉付けしたものが論文。論文はまずアウトラインをつくる(戸田山 2002 p100)。 アウトラインは常に暫定的で進化するもの(戸田山 2002 p109)
戸田山 2002の本ではアウトライン作成の方法論はないと断ったうえで経験的に有用な方法を紹介している。
主問題を論点のより明確ないくつかの小さい問題に分けるする。細分化した問題に答えることで最初の主問題に答えることになる。
『論文の教室』(戸田山 2002 p121)では問いに対して新規の問いをぶつける問いの細分化の方法をビリヤード法と呼んで紹介している。
『論文の教室』(戸田山 2002)は分かりやすい文章をかくための注意点が纏められている。そのいくつかを紹介する。
6. 本多勝一(1982)『日本語の作文技術』では日本語の大きな特徴として主語を省略できる点を上げている。
上記の本は句読点について分かりやすい説明がされているのでその点も面白かった。
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